本研究会は、元々は高野山大学フジキン小川修平記念講座の基金で20124月より始動した二つの研究─理論部門のプロジェクト「宗教と科学の対話」(密教文化研究所所長:中村本然・高野山大学教授)と、実験部門の共同研究「祈りと遺伝子」(国際科学振興財団バイオ研究所所長:村上和雄・筑波大学名誉教授)─のうち、前者を直接の母胎としています。

 

 プロジェクト「宗教と科学の対話」では、201211月に大阪市中央公会堂で講演会(講演:平野俊夫・大阪大学学長、棚次正和・京都府立医科大学教授、帯津良一・帯津三敬病院名誉院長、パネリスト:鮎澤聡・筑波技術大学准教授、司会:中村本然)を開催し、201310月にも同所で講演会(講演:松本紘・京都大学前総長、西川伸一・JT生命誌研究館顧問、村上和雄、パネリスト:生井智紹・高野山大学教授、棚次正和、司会:中村本然)を開催しました。

 関連するイベントとしては、201211月に村上和雄先生責任企画によるシンポジウム「ダライ・ラマ法王と科学者との対話~日本からの発信~」がホテルオークラ東京で二日間にわたって開催され、参加者は4,000名を超えました。対話者は、志村史夫・静岡理工科大学教授、佐治晴夫鈴鹿短期大学学長、横山順一・東京大学教授、米沢富美子・慶応義塾大学名誉教授、柳沢正史・筑波大学/テキサス大学教授、矢作直樹・東京大学教授、河合徳枝・早稲田大学客員教授、村上和雄・筑波大学名誉教授の8名で、最終日のクロージングセッションでは、安田喜憲・東北大学教授、大橋力・文明科学研究所所長、棚次正和の3名も加わりました。

 

 一方、研究会活動としては、大阪ガーデンパレスにて、20135月の第1回研究会(講師:奥健夫・滋賀県立大学教授)より20167月の第15回研究会(講師:高岡義寛・京都大学教授)まで、定期的に23ヶ月おきに、都合15回続けてきました。当初のメンバーは、奥健夫、川田薫、鮎澤聡、生井智紹、中村本然、室寺義仁・滋賀医科大学教授、棚次正和の7名、後に中村泰治・昭和大学名誉教授、森勇介・大阪大学教授、根本泰行・オフィス・マサル・エモト代表が加わりました。ゲストスピーカーとして参加されたのは、長谷川晃・大阪大学名誉教授、山崎泰廣・種智院大学名誉教授、高岡義寛・京都大学教授の3名でした。

 

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 本研究会は、この寄付講座のプロジェクト「宗教と科学の対話」の精神を継承しています。別の「いのちの医療哲学研究会」と連携する形で、20178月に第1回合同研究会(砂子岳彦先生)、201711月に第2回合同研究会(柴正太郎先生)、20183月に第3回合同研究会(光田秀先生)を開き、また20186月には合同の形を解いて第4回研究会(川田薫先生)、20189月に第5回研究会(米田晃先生、前田豊先生)、201811月に第6回研究会(山田廣成先生)、20193月に第7回研究会(長野貴晃先生)、20196月に第8回研究会(芦名定道先生)を開いてきました。今後も、研究者と一般人の双方が参加できる研究会を続けてゆくつもりです。

  

※なお、201711月開催の第2回研究会以降、会場使用等については「PRAY for (ONE)小さな祈りのプロジェクト」(代表理事:保志康徳)様より御支援を受けています。

 

※上記の二つの講演会の記録は、高野山大学密教文化研究所編『宗教と科学の対話─宇宙の摂理への想い』(企業開発センター、20158月)として、プロジェクト「宗教と科学の対話」の記録は、『高野山大学 密教文化研究所紀要 別冊』(20173月)として公刊されています。また、ダライ・ラマ法王とのシンポジウムは、『こころを学ぶ─ダライ・ラマ法王 仏教者と科学者の対話』(講談社、201311月)として公刊されています。

                             

                                世話人 棚次正和